手のひらの話

物語のような、呟きのような…

ブイヨンとか

ブイヨンと言うのはね、つまりは出汁なんですよ。

昆布と鰹を合わせて旨味を抽出する。同様に肉類と香味野菜の旨味を煮出したのがブイヨンなんですね。

ちなみに魚の出汁はフュメと言います。正しくはフュメドポワソン。「魚の出汁」て感じの意味です。

肉のほうはブイヨンドヴォライユとかブイヨンドブフとか。ヴォライユは家禽一般、普通は鶏ガラを使います。ブフは牛肉、スジ肉で作ります。

ブイヨンより濃くて、ソースを作るための出汁をフォンと言います。フォンドボーは仔牛の骨を煮出した出汁。ボーは仔牛です。この頃のフレンチはフォンドボーベースの軽快なソースが主流ですね。昔のようなベトっとしたソースは流行らないようです。例えばドミグラスソース…。

バターと小麦粉を炒め合わせたものをルーと言います。これをソースで延ばすとドロッとしたそれっぽいものになります。しかし大変重い。ソースでお腹がいっぱいになってしまうし食材本来の味が消えてしまいます。

そこでヌーベルキュイジーヌ(新しい料理)においてアラミニュイ(即席?)のソースが発明されたのです。大分古い話ですが。

ステーキを焼いたフライパンの余分な脂を捨て、こびりついた旨味をフォンドボーと赤ワインで溶かし、そして煮詰めて、その場でソースを作るのです。私はバルサミコを加えるんですがね。美味しいですよ。